節分に柊鰯(ひいらぎいわし)を飾るのは西の地方と言われています。
私は北の生まれですが、それでも柊鰯の記憶があるんです。ずっと不思議に思ってます。
血縁に西の生まれの人がいたものなのか、それとも近所に西の生まれの人がいて、その家が飾っているのを覚えているものなのか…
今日はそんな妙な縁のある柊鰯についてご紹介します。
節分の柊鰯の作り方は?
柊鰯はその名の通り、柊と鰯から作られるものです。作り方は至って簡単なのですが、一度も作ったことがないとどうしても悩んでしまいますので、「準備編」、「素材作り編」、「作成編」でご紹介します。
■準備編
まずは柊を用意しましょう。自分の家や近所で育てているならすぐに手にはいるでしょうが、そうでない場合はスーパーやホームセンターで手に入れて下さい。
普段は扱っていなくても、節分時期になると売られています。スーパーならば柊と鰯がセットで売られていたりしますから手間いらずですよね。
ただ、地域によってはもしかして扱わない可能性もありますので、そんなときはネット注文にしましょう。
柊を選ぶ際の注意点は、枝がしっかりしていることです。鰯の頭に突き刺すので、適度な太さがないと折れてしまうかもしれません。
次に鰯ですが、これは一番美味しそうなものを買ってください。柊鰯用の鰯なんて売っていませんので(笑)食欲優先で選ぶのが正解です。
「鰯を食べるついでに柊鰯を作るんだ」的な感覚が一番です^^。
■素材作り編
次は素材作りです。
まずは鰯を焼きましょう。塩焼きでも生姜醤油焼きでも梅醤油焼きでもお好みで構いません。
要は煙が出ればいいんです。鬼は煙を嫌いますし、鰯は焼くことで臭いが強くなりますので、その臭いも嫌います。
もしかしたら、にんにく醤油焼きなんかだともっと効果的かもしれません。(鬼は吸血鬼とは違うかもしれませんけど)
さて、こんがり焼けたら美味しくいただきましょう。
その際の注意点は、頭を残すことです。決して頭からまるかじりしないで下さい。何故ならば、鰯の頭が柊鰯の材料になるからです。
■作成編
鰯を美味しくいただいたなら、手元には鰯の頭が残っているはずです。
その頭を柊の枝に刺しましょう。
刺し方は、お好みで。鰯の頭が上を向く刺し方ならどんな形でもかまいません。
大きく分けると次の2通りになると思います。
- エラから差し込んで目を突き抜けるように刺す。
- 頭の後ろから口へ抜けるように刺す。
最初の刺し方は、「鬼の目突き」にあやかるようにとの思いが込められているようです。
ただ、鬼が嫌うのは鰯の臭いで、鬼の目を付くのは柊の葉のとがっているぶぶんですから、特にこだわる必要はありません。
また、枝が突き抜ける必要もありません。簡単に抜けないようならそれでOKです。
さて、これでようやく柊鰯が出来ました。では飾り方について、次の章でご紹介しましょう。
節分の柊鰯の飾り方は?
実は、柊鰯の飾り方に決まりはありません。
方角なんかにこだわる人もいるようですが、気にする必要はありません。
なぜなら、飾る場所だけは決まっているからです。なので、方角なんか気にしてたら、その決まった場所に飾れないケースも出てきてしまいます。
では、その飾る場所はどこなのでしょうか?
私が言うまでもなくご存知だと思いますが、「玄関」です。
柊鰯は鬼よけの願いが込められているものですから、鬼が入ってこないように飾る場所は当然玄関しかありません。
一般的には玄関の外、扉の上の方に飾りますが、マンション等で外に飾るのはあまりよろしくないようでしたら、内側の扉の上とかでもOKです。
あるいは、下駄箱の上に花瓶を置いてそこに刺しておくとか、玄関においてある観葉植物の土に刺すとかでも全然かまいません。
要は、鬼の嫌がる柊鰯が家の入り口である玄関にあればいいわけです。
ただ、小さなお子さんがいる場合は、子供の手が届かない上の方に飾ることをおすすめします。柊の葉は子供には危険ですから、万一のことが無い様にです。
さて、玄関に柊楓を飾ることで鬼が家に入ってくることが出来なくなりましたが、この飾りはいつまで飾っておくべきなのでしょうか?
節分の柊鰯はいつまで飾る?
実はいつまで飾るかも地域にや家庭によってまちまちです。
2月いっぱい飾る人もいますし、ひな祭りまで飾る人もいます。
ただ、鰯の頭が生物であることを考えると、いくら寒い時期とは言え長期間飾るのは少しばかり無理がある気がします。
なので、個人的には節分の翌日の立春まで飾って、すぐに片付けることをおすすめします。
節分は立春から始まる1年の最終日ですから、その日に鬼避けを飾って「鬼を追い払って新たな一年を迎える」ことが出来たらなら取り外しても大丈夫という考え方です。
もし一夜飾りが気になるようでしたら、少し前から飾り始めるか、2月いっぱい飾るかしてもいいと思います。
もちろん「魔除けだからすぐに外すのではなく、自然に外れるのを待つ」でもかまいません。
そして取り外した柊鰯は、そのままゴミ箱へ捨てるのではなく、塩で清めてから白紙に包んで捨てるようにしてください。
もしどんど焼きがあるなら、そこで焼くのもいいですね。
縁起物ですから、粗末に扱わないほうがいいです。
まとめ
今回は柊鰯についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
万が一柊が手に入らないなら、鰯だけ食べるのもありだと思います。
しっかり煙を出して焼いた鰯を体に取り込む。これだけでも鬼が近寄らない気になりませんか?
要は縁起物ですから、気持ちの持ち方次第だと思います。
柊鰯を作るにしろ作らないにしろ、節分に鰯を美味しく食べるのは体にも厄除けにもいいのかもしれません^^。